計算ミス撲滅プリント 使用法 注:学校の進度によって、 大問3(円)の部分は飛ばしてやらせてください。 A)数学の偏差値55以上の生徒 No.1から生徒にやらせます。 1枚終わるごとに、保護者の方が採点します。 採点方法は、 全問正解なら、大きく○ 1問でも間違えている場合は、 問題用紙の左上に× をつけて、返却します。 このときに、 どこを間違えているかを話してはいけません。 受け取った生徒は、 数問をやり直して再び提出します。 このときも同様に、 全問正解なら、大きく○ 全問正解でなければ、 左上にさらに×を並べます。 このとき、 何問間違えているのか? どの辺が間違えているのか? について、一切話してはいけません。 これを繰り返し行っていきます。 何回も×が続くと、・・・・・・ 数名の生徒は、泣きそうになります。 数名の生徒は、ふくれっ面になります。 数名の生徒は、不機嫌をあらわにします。       : しかし、それでも全問正解でなければ、 冷たく無言で×をつけ続けます。 偏差値60以上の生徒にとっては、 解けない問題、解き方がわからない問題は、 このプリント内には100%ありません。 つまり、 ○がつかない=ミスをしている ということです。 だから、なにも教える必要はありません。 冷たく×をつけるだけです。 どんなに生徒がすねていても、 結局そこで 「この問題が間違ってるよ」 と、教えてしまったら、 100%計算ミスはなくなりません。 このプリントは、 終了させることが目的ではなく、 繰り返すことも目的ではなく、 ミスをなくさせることだけが目的なのです。 また、1枚のプリントが終了したら、 次のプリントを渡す前に、 必ず「ケアレスミスリスト」に、 どのようなミスをしたのかを 具体的に記入させてください。       : 冷たく×を繰り返していると、 ついに、生徒に変化が現れます。 別の紙を持ってきて、 細かく途中の計算を書き始めます。 そして、 自分が、いかにくだらない間違いを 犯していたかに初めて気づくのです。 また、ケアレスミスリストをつけることによって、 自分が同じ間違えを繰り返していると いうことにも気がつきます。 実は、ほとんどの子が、 同じミスを繰り返しているだけなのです。 だから、そのミスを注意できれば、 ミスは半減するのです。     : これを繰り返すと、 速い子で、No.10あたりから、 途中計算をっしっかりと書く癖がついてきます。 その方が、結局速くプリントが終わると いうことに気がつくのです。 また、途中の式をきれいに細かく書けば、 ×がついても、 どこで間違えたかが、見直しやすいということも、 自分で気がつくのです。 ここまでくれば、このプリントの役目は終わりです。 目安として、 5枚連続でノーミスが続けばプログラム終了です。 B)偏差値50〜54の生徒 ただし、 途中計算をあまり書かない生徒の場合は、 A)偏差値55以上 と同様に、 途中計算を書くようになるまで、 全問正解の場合のみ、大きな○をつけ、 全問正解以外は、左上に×をつけていく方法を 繰り返すしかありません。 おそらくNo.5あたりで、 しっかりと途中計算を書くようになります。 途中計算を書いているのに、 ミスがある場合 No.1〜No.10で、まずは、 自分が陥りやすいミスを見つけます。 1枚ごとにやらせて、 1問ずつ○付けをします。 間違えた問題は、何らかのミスをしているので、 かならず、別の紙に最初から計算をやり直させます。 そして、正解できたら、 次のプリントに移る前に、 必ず「ケアレスミスリスト」に、 やってしまったミスを できる限り具体的に、記入させます。 例)約分を忘れた・・・ではダメです。  33分の27(27/33)を約分して、  11分の9(9/11)にするのを忘れた。  というように具体的な数字も書かせます。 No.10まで、この作業を繰り返し、 自分がやりがちなミスを一通り把握したら、 Aパターンと同じように、 1枚完全正解ごとに、大きな○をつけ、 次のプリントに進みます。 5枚連続で、一発合格ができれば、 プログラム終了です。 C)偏差値49以下の生徒 まずは、No.1をやらせてみて、 自力でできる問題とそうでない問題を識別します。 自力でできるというのは、 「計算の仕方がっわかっている」ということです。 つまり、「ミス以外の不正解がない」 という状態です。 このプリントは、 計算の仕方を覚えるために作ったものではありません。 そのため、 解答は答えのみで、解説はありません。 ですから、 できる(はずの)問題に絞ってやらせてください。 私の教室では、生徒によって、 「君は四角1だけでいいよ」とか、 「君は四角1と四角2ね」 というふうに、指示しています。 あくまでも計算ミスをなくすのが目的であり、 計算方法を教えるのが目的ではないからです。 やる問題を決めたら、 あとはBパターンと同様に進めます。 最初の5枚〜10枚くらいで、 ケアレスミスリストがある程度できあがったら、 次の5枚は、 1問1問、解き終わるごとに、 できたケアレスリストを見て、 「約分はしたか?」 「( )の2乗は忘れてないか?」 「移項のとき、符号変えたか?」 「直線の式にxはつけたか?」 ということをいちいちチェックさせてやらせると、 格段にミスが減ります。 いずれにしても、 これらの作業は、生徒自身の 「クセ」を直す(治す)という 治療に近い作業ですので、 生徒だけでは絶対に無理です。 保護者の方、ご兄弟の協力がなければ 難しいと思います。 私がやっていても、 何回も×になると、 反発する子は反発します。 本当に、泣いてしまう子もいます。 でも、 ここで 「じゃあ、どこが間違えているか教えてあげるよ」 と、やってしまうと、絶対にミスは直りません。 「ここでつらい思いして泣くか、  合格発表で名前がなくて泣くか、  どっちがいい?」 といって、厳しくやらせています。 自我ができあがり、 それなりのプライドもある中学生に、 これまでやっていた暗算をやめさせ、 途中の式を丁寧に書かせるためには、 これしかないと思っております。 いくら、「そうした方が絶対にいい!」 と、言い聞かせても、なかなか直りません。 生徒さんが、自分自身で 「ちゃんと式を書いた方が、遙かに正確で  速く終わるんだ・・・」 と、実感して気づいてもらうしかないのです。 頑張ってください。